(大)秋田県立大学/アグリイノベーションセンターの整備(5月31日)
=(大)秋田県立大学=
補正予算確保後に設計・地質調査を委託
アグリイノベーションセンターの整備
公立大学法人秋田県立大学が今年4月に設置した「アグリイノベーション教育研究センター」(スマート農業の研究、人材育成、技術開発の拠点)の施設整備について、早ければ県の6月補正予算案に研究・管理棟建設などの設計費、地質調査費等が計上される見通し。同大学大潟キャンパスにあるフィールド教育研究センター敷地に整備するもので、今年度は教育プログラムの作成といったソフト面にも着手したい考え。
事業は「秋田版スマート農業」の発信拠点を整備するもの。農学系と理工学系の学部を持つ同大学の強みや、国内でも有数の広さがあるフィールドを生かし、ビッグデータやロボットなどの先端技術を農業に活用する「スマート農業」の研究、人材育成、技術開発の拠点とする。
施設整備では、フィールド教育研究センター敷地に研究・管理棟を建設するほか、温室の改修やスマートネットワーク環境の整備などを実施。当初は、老朽化した畜舎を建て替える「スマート畜舎」も整備する予定だったが、当面は先送りする見通し。ソフト事業も含めた総事業費は最大15億円程度、現時点の事業期間は7年度までを予定している。
今年4月に設置された新センターでは「分野を超えた連携研究」「高度な教育による農業人材育成」「先端技術の開発・実証・展示」という3つの「場」を柱に活動。
このうち連携研究では、仮想空間を活用したデジタルツイン技術を農業分野に応用させる「アグリデジタルツイン構想」を計画。人材育成では学生教育に関して、全学共通の農工連携科目となる「スマート農業入門」を学部生、全研究科共通の「農工連携特論」を大学院生向けに開設済み。
生産者や営農指導員などの実務者向けには「スマート農業指導士(仮称)」の育成・認定制度を創設する。このほか、県内の高校に拠点センター施設(先進モデル農場)を提供し、農業を体験・学習してもらう。
実証・展示では、5G/ローカル5G(整備済)や、位置情報を正確に補正するRTK-GNSSなどにより、ロボット農業機械における安全性確保策の検証試験や、リモート農業実証、スマート農業技術の展示などを行う。